あげるよ

　

　ゆーこも太田朋が好きだという事がわかった。

　私『今度、絵本プレゼントするよ。何か持っている？持っていたら、
　　無いのをあげるから。』

　「え？貸してくれたらいいよぉ。買うなんてもったいないよ」
　
　『だって、ないもん。あったの、あげちゃったよ』

　・・・実際、あやにあげたのだ。でも、それは、絶対言うつもりは無い。

　「じゃ、うちも何かSにあげるよ」

　『いいよ、もういろんなものもらっているから』

　「そんなん、しょーもないもんばっかしだよ」

　『全部大事だよ』

　「Sにあげれるものなら、全部あげたいよ。心も、何もかも」

　『もう、もらってるよ。全部、大事にするから。ずっと大事にする。
　　代わりにあげれるものは、私の心くらいだけど』
　　
　「Sの心をもらったら、もう誰にも渡せないよ。もし
　　誰かに渡すようなことになったら、もう自分は、自分では
　　いられなくなるだろうね」

　　

　　誰にも渡さないで欲しいんだ。

　　もう、それしか無いから。

　　ずっと持っていて欲しいんだ。

　　私の一番大事なものは
　　一番大事な人のものなんだ。